私は長年、笑うと歯茎がむき出しになる自分の笑顔が好きになれず、写真を撮る時はいつも口元を手で隠すか、口を閉じて微笑むようにしていました。友人たちが思い切り口を開けて楽しそうに笑っているのを見るたびに、羨ましさと同時に劣等感を感じていたのです。「私の口元がおかしいのは、きっと出っ歯だからだ」と勝手に思い込み、いつかはお金を貯めて歯列矯正をしなければならないと漠然と考えていました。歯並びさえ治せば、この忌々しいガミースマイルも魔法のように消えるのだと信じて疑わなかったのです。ある日、意を決して矯正歯科のカウンセリングを受けることにしました。緊張しながら診療台に座り、先生に悩みを打ち明けると、先生は私の口の中をじっくりと観察し、レントゲン写真を撮った後で意外な言葉を口にしました。「あなたの歯並びはそれほど悪くありませんし、骨格的な出っ歯の傾向も強くありませんよ」。私は耳を疑いました。ではなぜ、私はこんなにも歯茎が出るのでしょうか。先生は続けて説明してくれました。「あなたのガミースマイルの主な原因は、上唇を持ち上げる筋肉の力が強すぎることと、歯茎が少し発達しすぎていることの複合型ですね」。筋肉?歯茎? 予想もしていなかった言葉に私は困惑しましたが、先生が手鏡を持たせて詳しく解説してくれたことで、ようやく理解できました。私が笑おうとすると、無意識のうちに上唇に力が入りすぎて、鼻の方まで唇を巻き上げるような動きをしていたのです。さらに、私の前歯は平均よりも少し短く見えていました。これは歯が小さいのではなく、歯茎が通常よりも下の方まで被さっているためだということでした。「矯正で歯を引っ込めても、唇が上がりすぎていれば歯茎は見え続けますよ」という先生の言葉は、私にとって目から鱗が落ちるような衝撃でした。それまで私は、ガミースマイルといえば「骨が出ている」か「歯が出ている」かのどちらかだと思い込んでいました。しかし、実際には筋肉の動きや歯茎の形状など、軟組織の問題が大きく関わっていたのです。私の場合は、まずボトックス注射で上唇の動きをコントロールし、必要であれば歯茎のラインを整える処置をすることで改善できると提案されました。数百万円かかると覚悟していた骨切りの手術や長期のワイヤー矯正ではなく、もっと身体への負担が少ないアプローチで改善の余地があることを知り、目の前が明るくなりました。この体験から私が学んだのは、自分のコンプレックスの原因を素人判断で決めつけてはいけないということです。原因が違えば、対処法も全く異なります。もし私が自己診断のまま矯正専門ではない歯科医院で無理やり矯正を始めていたら、時間とお金をかけても満足のいく結果は得られなかったかもしれません。ガミースマイルには様々なタイプがあり、それぞれに適した解決策がある。そのことを知っただけで、長年の悩みが半分くらい解消されたような気持ちになりました。今では適切な処置を受け、手で口を隠すことなく笑えるようになり、自分の笑顔が少し好きになれました。
私が悩んだガミースマイルの意外な原因とは