口の中を噛んでできた白い傷。通常なら1〜2週間で治るはずなのに、いつまでたっても痛みが引かない、あるいは、繰り返しできてしまう。そんな時、歯科医院を受診すれば、つらい症状から早く解放されるための、様々な治療を受けることができます。自己判断で我慢し続けるよりも、専門家の力を借りるのが賢明です。歯科医院で行う治療は、まず「正確な診断」から始まります。なぜ治らないのか、その原因を突き止めることが最も重要です。問診で、いつから、どのような症状があるかなどを詳しく聞いた後、視診や触診で傷の状態を確認します。本当に噛んだことが原因の「外傷性潰瘍」なのか、あるいは他の病気の可能性はないかなどを慎重に判断します。もし、特定の歯が当たっているようであれば、噛み合わせのチェックなども行います。診断の結果、一般的な口内炎であれば、症状を和らげ、治癒を促進するための治療が行われます。最も一般的なのが、「軟膏の塗布」です。炎症を強力に抑えるステロイド成分が含まれた、医療用の軟膏を患部に直接塗布します。市販薬よりも効果が高く、痛みを速やかに和らげることができます。また、近年では「レーザー治療」を行う歯科医院も増えています。これは、患部に特殊なレーザーを照射することで、痛みを軽減し、傷口の表面を殺菌・消毒して、治癒を促進させる治療法です。治療中の痛みはほとんどなく、多くの場合、照射した直後から痛みが和らぐという即効性が期待できます。さらに、傷口を物理的に保護するための「貼り薬(パッチ)」を処方してくれることもあります。これにより、食事などの際の刺激から患部を守り、薬の成分を効率的に浸透させることができます。そして、もし、治らない原因が、歯の尖った部分や、不適合な被せ物にあると判断された場合は、その原因そのものを取り除く処置が行われます。歯の角を少しだけ丸めたり、被せ物を調整したりすることで、再発のリスクを根本から断ち切るのです。このように、歯科医院では、対症療法と原因療法の両方からアプローチすることで、あなたの悩みを解決へと導いてくれるのです。