口腔外科で「手術が必要です」と告げられると、多くの人が、「痛いんだろうか」「腫れるんだろうか」「仕事は休まないといけないのか」といった、様々な不安を感じるものです。しかし、事前に手術の流れや、麻酔の方法、術後の経過などを正しく理解しておくことで、その不安は大きく和らぎます。口腔外科で行われる手術の多くは、親知らずの抜歯や、良性腫瘍の切除など、外来(日帰り)で、局所麻酔下で行えるものです。まず、手術の際の「痛み」をコントロールするのが「麻酔」です。通常は、歯の治療で使うのと同様の「局所麻酔」で行われます。麻酔の注射をする際にチクッとした痛みはありますが、一旦麻酔が効いてしまえば、手術中に痛みを感じることは全くありません。ただし、手術に対する恐怖心や不安が非常に強い方のために、「静脈内鎮静法(じょうみゃくないちんせいほう)」という選択肢もあります。これは、点滴から鎮静剤を投与することで、うっすらと眠っているような、非常にリラックスした状態で手術を受けることができる方法です。健忘効果もあるため、気づいたら手術が終わっていた、という感覚になる方がほとんどです。手術時間は、内容にもよりますが、30分から1時間程度で終わることが多いです。術後は、麻酔が切れると、ズキズキとした痛みが出てきます。しかし、これは事前に処方される鎮痛剤を服用すれば、十分にコントロールできる範囲です。痛みや腫れのピークは、術後24時間から48時間(2〜3日目)で、その後は徐々に引いていきます。腫れを最小限に抑えるために、術後しばらくは、濡れタオルなどで頬を冷やすのが効果的です。食事は、麻酔が切れるまでは、感覚がないため、唇や舌を噛まないように控えましょう。その後は、傷口に刺激を与えないように、おかゆやスープ、ゼリーなど、柔らかく、熱すぎないものから始め、徐々に普段の食事に戻していきます。手術当日は、激しい運動や長時間の入浴、飲酒など、血行が良くなる行為は、再出血の原因となるため避ける必要があります。ほとんどの場合、翌日からは普段通りの生活を送ることが可能ですが、仕事の内容によっては、1〜2日程度安静にするのが望ましいでしょう。不安なことは、事前に遠慮なく医師やスタッフに質問し、安心して手術に臨んでください。
口腔外科での手術、怖くない?麻酔と術後の流れを徹底解説