子供の口の中に、赤い斑点を見つけると、親としてはとても心配になりますよね。「痛いのかな?」「何か悪い病気だったらどうしよう」と、様々な不安が頭をよぎるでしょう。子供の口の中にできる赤い斑点は、大人とは少し原因が異なることが多く、特にウイルス性の感染症が関わっているケースが少なくありません。ここでは、親が知っておくべき代表的な病気と、その見分け方のポイントについて解説します。まず、夏場に流行するのが「ヘルパンギーナ」です。これは、コクサッキーウイルスなどが原因で起こる、いわゆる夏風邪の一種です。突然の高熱と共に、喉の奥、特に上顎の奥の方(軟口蓋)や、喉の入り口(口峡)周辺に、小さな赤い斑点や水ぶくれができます。喉の痛みが非常に強いため、子供が食事や水分を摂るのを嫌がるのが大きな特徴です。次に、同じく夏に多いのが「手足口病」です。その名の通り、口の中だけでなく、手のひら、足の裏や甲にも、赤い発疹や水ぶくれができます。口の中では、舌や頬の内側、歯茎など、比較的広い範囲に斑点や口内炎ができる傾向があります。発熱は、あっても微熱程度であることが多いです。そして、冬場に注意したいのが「溶連菌感染症」です。これは、溶血性連鎖球菌という細菌が原因で起こります。高熱と強い喉の痛みが特徴で、口の中を見ると、喉の奥や上顎に、点状の赤い出血斑が見られることがあります。また、舌の表面がブツブツと赤くなる「いちご舌」も、特徴的な症状の一つです。これらの感染症は、いずれも子供同士でうつることが多いため、保育園や幼稚園で流行している場合は、特に注意が必要です。見分けるポイントは、「赤い斑点ができている場所」と、「口の中以外の症状(発熱の有無や程度、手足の発疹など)」です。もし、子供の口の中に赤い斑点を見つけ、熱があったり、機嫌が悪かったり、食事を摂れないような様子が見られたら、自己判断せず、かかりつけの「小児科」を受診しましょう。適切な診断と対症療法によって、子供のつらい症状を和らげてあげることができます。
子供の口の中の赤い斑点で親が知っておくべき病気と見分け方