-
繰り返す口の中の赤い斑点。食生活とビタミン不足を見直そう
口の中に、時々赤い斑点ができては、いつの間にか消えている。特に大きな病気というわけではなさそうだけど、なぜか繰り返す。そんな症状に心当たりがある方は、一度、ご自身の「食生活」を見直してみる必要があるかもしれません。口の中の粘膜の健康は、日々の食事から摂る栄養素によって、大きく支えられています。特定の栄養素が不足すると、粘膜や血管がもろくなり、赤い斑点(点状出血)ができやすい状態になってしまうのです。特に、粘膜や血管の健康と深く関わっているのが、「ビタミンC」と「ビタミンK」です。ビタミンCは、血管の壁を構成する重要な成分である、コラーゲンの生成に不可欠な栄養素です。ビタミンCが不足すると、丈夫なコラーゲンが作れなくなり、毛細血管がもろく、壊れやすくなります。これにより、歯磨きなどのわずかな刺激でも、歯茎などから簡単に出血したり、粘膜に赤い斑点ができたりするのです。ビタミンCは、パプリカやブロッコリーといった緑黄色野菜や、キウイフルーツ、柑橘類などに多く含まれています。水溶性で熱に弱い性質があるため、生で食べたり、調理時間を短くしたりする工夫が必要です。一方、ビタミンKは、「止血のビタミン」とも呼ばれ、血液が固まるプロセスにおいて、重要な役割を担っています。ビタミンKが不足すると、血液が正常に凝固しにくくなるため、一度出血すると血が止まりにくくなったり、内出血が起きやすくなったりします。ビタミンKは、納豆やほうれん草、小松菜、ブロッコリーなどの緑色の野菜に豊富に含まれています。また、これらのビタミンだけでなく、粘膜の新陳代謝を助ける「ビタミンB群」や、血管の健康を保つ「鉄分」なども、口の中の健康には欠かせません。もし、あなたが外食やインスタント食品に偏った食生活を送っていたり、無理なダイエットをしていたりするなら、それが、繰り返す赤い斑点の原因となっている可能性があります。バランスの取れた食事は、全身の健康の基本であると同時に、デリケートな口の中の粘膜を守るための、最も効果的な防御策なのです。